富山市医師会看護専門学校

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令和5年度 富山市医師会看護専門学校 学校評価

評価基準

評価基準当てはまる
やや当てはまる
当てはまらない

学校職員による評価結果

【 図1 領域別平均 】

 令和5年度は、准看護学科は新カリキュラムに移行して初めての卒業生を輩出した。新カリキュラムの導入に伴い取り入れた実習評価方法であるルーブリック評価が、学生の学習の到達段階を客観的評価できるよう定期的に見直し、改善を加えてきた。看護学科は新カリキュラムが動き出した年であった。新旧のカリキュラムが同時進行しているため、各カリキュラムがスムーズに進行されるよう、今まで以上に細心の注意を払う必要があった。今後は、新カリキュラムによる学習効果、学習目標の到達度を評価し、見直していく必要がある。
 臨地実習については、新型コロナウイルス感染症が感染症分類の5類へ移行したことにより、患者と直接接して看護技術の提供が可能となった。マスク着用、手指消毒の徹底、体調管理などの感染症対策は現在も継続しており、勤務先や実習先の患者やその家族の健康を守る責任も担っていることを念頭において行動し、感染予防に努めている。
 学校職員による学校評価の結果は、Ⅰ~Ⅵの6つ評価項目の各平均点が全て前年度に比べて0.1点以上低下した。前年度に比べて低下率が大きかった項目は、「Ⅳ 教員の育成」であり、前年度の平均点に比べて0.3点低下した。「Ⅳ 教員の育成」の8つある評価内容のうち7つの評価内容において前年度よりも0.1~0.5点低下した。評価内容の「教員の研究活動を保障(時間的・財政的・環境的)している」は、0.5点低下していた。「教員が授業準備のための時間をとれる体制を整えている」「研究に価値をおき、研究活動を教員相互で支援し合う文化的素地が養成所内にある」の評価点は1.9点であり、75の評価内容で最も低い点であった。教員の授業準備に関しては、専任教員数が影響していると考えられる。専任教員配置基準は両学科ともに配置基準未満であり、専任教員の退職に伴い1人の教員が担当する授業時間数が増えたことが要因の1つにあると考えられる。また、様々な背景をもつ学生に対応するため、学生指導や学年運営に時間を要している。そのため、授業づくりに集中できる時間を確保することができず、この結果につながっていると考えられる。
 研究活動については、学校内においてカリキュラム検討や評価表の分析などを行っているが、教職員全体での共有に至っていないことが結果に影響を与えるのではないかと推測している。研究活動を学会発表できていないことも研究活動の保障がされていないと感じさせる結果となったと考えられる。
 評価項目「Ⅴ 入学・卒業対策」は2.4点であり、前年度平均点より0.2点低下した。また、5つある評価内容全てにおいて前年度より0.1~0.4点低下した。令和5年度は学生募集のために、様々なメディアを活用し、幅広い対象者に向けて情報発信し募集活動を行った。しかし、少子化に伴う生産年齢人口の減少は、本校にも多大な影響を及ぼしている。近年、入学者数は減少しており、令和5年度も両学科ともに定員に達することはなく、継続した学生募集、魅力ある学校づくりを行っていく必要がある。本校に入学する学生は、家族や友人、職場の先輩、本校の卒業生からの勧めで入学志願する学生が多いという特徴がある。卒業生が本校で学んで良かったと思えるような学校づくり、そして教育理念・教育目的につながる教育を行い、教育活動の評価を定期的に行うことで教育の質を高めていく努力をし続けなければならない。
 令和6年度は、前年度の結果より低下率が特に高かった項目の「Ⅳ 教員の育成」「Ⅴ 入学・卒業対策」を重点課題とし、改善に向けて取り組んでいく。課題の共有、解決に向けた取り組みを教員全体で行い、学校づくりに取り組んでいきたい。

学校関係者による評価結果

【 図2 領域別平均 】

全体評価

  • 学生数減少により今後の学校運営に支障をきたす可能性が考えられるが、これからも運営に努力していただきたい。
  • 生徒数が減っていると思うのですが、教育の質向上を目指し、今後も努力していただきたいと思います。
  • 少子化に伴い受験生が減少する中、地域での社会貢献度が極めて高い教育機関として養育内容の充実が図られ評価できる。ただし、近年の学生数の減少傾向は待ったなしの課題であり、教職員の努力に加え、学校全体として戦略的な学生の確保のあり方を模索し、定員の充足につなげられたい。詳細なコメントは以下の通り。
    1. ① 教育理念・目的にそった教育目標や3つのポリシーに基づいた教育課程が編成され実践されている。また、看護学科の新カリキュラムへのスムーズな移行に配慮されたい。
    2. ② 教育課程は専門的な知識や技術に偏ることなく、人間性や社会性を高める基礎教養教育科目が設定されている点は評価できるが、今後は他の高等教育機関との単位互換制度の導入などにより教育内容の充実を図ることが望ましい。
    3. ③ 学生の意見が学校運営に反映されるよう、授業アンケート評価に加え様々な意見を聞く機会を作るよう努められたい。
    4. ④ 就業時間の制約が増える中、教員の業務がより煩雑となりつつあるが、授業、研究、運営等の業務のバランスを保つようにチェック体制の検討が望まれる。教員の研究面では、学会などへの参加や教員間で情報を有しつつ、自身の研究にも研鑽を積んで欲しい。
    5. ⑤ 学生募集については、人口減少など厳しい環境にありながらも様々な方法で募集の努力をされていることは一応理解できる。今後は、貴校の働きながら専門資格が取得できるメリットを強くアピールされ、学校関係者が一丸となって募集に取り組まれ学生を確保することが重要である。また、卒業生の学びの機会を継続、アフターケアに務め、持続的な地域医療を支える存在となられることを期待する。
    6. ⑥ 地域への貢献活動は様々なスタイルで行われ、学生の成長につながっていることが確認できる。一方、看護学科においてはさらに国際的な視野を広げるための環境を整備し、より質の高い学生を育てられるよう期待する。

【 過去の評価 】

 令和4年度学校評価

 令和3年度学校評価

 令和2年度学校評価

 平成31年度学校評価

 平成30年度学校評価